ロイヤルカナン腎臓サポートの真実※体験記あり
シニア猫は、3割以上が慢性腎臓病という報告があります。
日本アニマル倶楽部というペット保険の葬祭保険金請求時に記載されている死因のデータを見てみると、7歳以上は腎・泌尿器系疾患が1位となっています。
参考までに2位はがんです。
猫に腎疾患が多いのがよくわかりますね。
猫の腎臓病
腎臓病は簡単に言うと、血液中にある老廃物を排出できなくなる病気です。
腎臓はネフロンと呼ばれる組織の集合体で、このネフロンが壊れてしまうことで腎臓病は起こります。
ネフロンは1度壊れると再生しません。
そのため、腎臓病になると現在は完治させることができないのです。
ちなみに猫の腎臓にはネフロンが20万個あり、犬は80万個、人間は200万個です。
この差は、体の大きさによるもので、ネフロンの密度は猫も人間も犬も同じです。
猫に腎臓病が多い理由はこの3つではないかと考えられています。
- 腎臓の組織であるネフロンの数が少ない
- 水を飲む量が少なく尿が濃いため健康体でも腎臓に負担がかかっている
- 肉食でたんぱく質を多く必要とし、代謝するときに老廃物が多くなる
猫の腎臓病の治療方法
猫の腎臓病の治療方法は、投薬、透析、食事療法になります。
基本的には、腎臓で処理できない物質を排除する薬が使われます。
- 窒素吸着剤
- 尿蛋白を緩和する薬
- リン吸着剤
そのほか、脱水症状の緩和と尿毒症を防ぐために皮下輸液(点滴)も行います。
症状が軽いうちは月に数回で、重くなると毎日になります。
自宅で飼い主さんが行うことも可能ですが、輸液の量は症状により決まってくるため、自宅で行うのが難しい場合もあります。
多すぎるとかえって腎臓に負担がかかるため、定期的に検査をして輸液の量を決めていきます。
2017年に新しく血流を回復し慢性炎症を抑える効果のあるラプロスという薬が出ました。
ラプロスには、腎機能低下を抑制する効果があり、肺高血圧症の人の治療薬で使われるドルナーと同じ成分でできています。
(詳しくは発売元の共立製薬のサイトをご覧ください。)
この薬により腎臓病のステージ2と3の猫は、現状維持が可能になりました。
猫の腎臓病のステージは下記のように定義されています。
血清クレアチニン濃度 | 腎機能 | |
ステージ2 | 1.6-2.8mg/dl | 33-25% |
ステージ3 | 2.9-5.0mg/dl | 25-10% |
我が家の先代の猫さんは、腎臓に腫瘍ができ腎臓が機能しなくなっていきました。
参考までに、亡くなる10日前の血清クレアチニン濃度は6.5でした。
※AIMは血液中のたんぱく質のひとつです。
簡単にいうと、腎臓のゴミを取り除く薬になります。
猫だけではなく人間の治療にも期待できると注目されています。
国立研究開発法人日本医療研究開発機の『ネコに腎不全が多発する原因を究明』にこの薬を開発するに至った研究の説明があります。
特別な知識がない私が読んでも分かりやすい内容でしたので、興味のある方は読んでみてください。
これは人間と同じ治療方法ですね。
まだあまり導入している動物病院は多くありませんが、動物用の血液透析の機械があります。
この透析装置が、腎臓の代わりに血液をきれいにしてくれるというわけです。
日本小動物血液透析協会のサイトに動物用血液透析装置の説明があります。
日本小動物血液透析協会会員で動物用血液透析装置を導入している動物病院の一覧も載っています。
ちなみに、血液透析は1回5万円〜10万円、カテーテル装着は2万円程度です。
主に急性腎不全の場合に行う治療です。
慢性の腎臓病だと一生続くわれですから、治療費だけではなく猫ちゃんの体力を考えても難しい問題があるため現実的ではありません。
猫の腎臓病の療法食はこの2つが特徴です。
- 低タンパク
- 低リン
腎臓で処理できないものは、最低限しか摂取しないという治療方法になります。
一見消極的な方法に見えますが、この食事療法が、現状維持するのに1番効果的だというデータがあります。
腎臓疾患用のキャットフードは、ドライフードとウェットフードがあります。
が…低タンパクだからでしょうか、どちらもあまりおいしくないようです。
普通の猫缶ならおいしそうな香りがしますが、腎臓疾患用のウェットフードは食欲をそそるたぐいのものではありません。
猫ちゃんから見ると、味の評判は最悪となるかも知れません。^^;
少し温めたり、香りの強いものを少しのせ香りが移ったところでそれを取り除いて与えるなど、苦労している飼い主さんも多いです。
以前は、1種類のみだったロイヤルカナンの腎臓サポートも、食べやすさをプラスしたものが追加されています。
現在、ロイヤルカナンのドライフードは3種類の腎臓病の療法食が出ています。
- 腎臓サポートドライ 昔からあるドライフード
- 腎臓サポートセレクション 2つの食感で食べやすくしたもの
- 腎臓サポートスペシャル 猫が好む香りで食欲を刺激
腎臓サポート |
セレクション |
スペシャル |
|
リン | 0.31 g | 0.40 g | 0.45 g |
たんぱく質 | 23.4 g | 23.8 g | 26.4 g |
代謝エネルギー | 392 kcal/100g | 411 kcal/100g | 393 kcal/100g |
※400kcal あたり
ロイヤルカナン以外のキャットフードの成分分析値は、100gあたりの割合で表示されているので、ほかのキャットフードと比較しやすいように、100gあたりの数値を計算してみました。
100gあたりのリン
- 腎臓サポート ⇒ 約0.3%
- セレクション ⇒ 約0.31%
- スペシャル ⇒ 約0.44%
100gあたりのたんぱく質
- 腎臓サポート ⇒ 約23%
- セレクションが ⇒ 約24%
- スペシャル ⇒ 約26%
一般的なキャットフードと比べると、かなり抑えられているのがわかると思います。
100gあたりのリン
- モグニャンキャットフード 0.53%
- カナガンキャットフード 1.40%
- ジャガーキャットフード 1.58%
100gあたりのたんぱく質
- モグニャンキャットフード 30%
- カナガンキャットフード 37%
- ジャガーキャットフード 40%
このように、ロイヤルカナンの腎臓サポートシリーズは、腎臓の負担を軽減するために作られていることがよく分かりますね。
薬を飲ませることもそうですが、こうした腎臓病に特化したキャットフードを与えることも飼い主の役目です。
なかなか食べてくれないなど苦労も多いかも知れませんが、1日でも長く楽に過ごせる日が続くようにしたいですね。
それではロイヤルカナン腎臓サポートの体験談をどうぞ!
『ロイヤルカナン腎臓サポート』キャットフードで回復!
ある日我が家にやってた茶トラのMIXの子猫は未だ生後3ヶ月程度でした。
多くの子猫の場合1歳までは比較的腸の調子が不安定なことが多く便がゆるく下痢気味なのです。
我が家の茶トラも1歳までは大変でした。
1歳を迎えた頃には排便も安定したのですが、ある日おしっこシートを
交換しようと見るとなんだかシートの上のところどころに細かなグラニュー糖?を
ちょっぴり撒いたような光るものがあり何だろうと首を傾げていました。
1歳の予防接種を動物病院に接種に行った際、獣医さんに、そのおしっこの様子をたずねると、
それはストラバイト結晶というものでどうやら若年の猫でも泌尿器系の弱い体質の子がいて
その様な猫は通常の総合栄養食のドライフードを与え続けていると
泌尿器疾患(結石など)を起こしやすくなるとのことでした。
ということで、すでに泌尿器系の疾患を患っている猫などに与える獣医による処方箋食と呼ばれる
ドライフードを給餌することで予防しなくてはなりません。
食事療法食(他の疾患も含めて)のメーカーで市場で代表的なメーカーは
アメリカののサイエンスダイエットと、フランスのロイヤルカナンがあります。
両方の泌尿器の対応したフードを試したところ我が家の茶トラの猫がよろこんで食べたのは
仏国のロイヤルカナンの腎臓サポートでした。
この同じタイプの米国のメーカーの療法食は、なぜか?我が家の茶トラ君はほとんど食べてくれませんでした。
ふだんは大変食いしん坊で他の猫の食べ残しまで食べるのですが・・・
ロイヤルカナンの腎臓サポートにはドライフードとウェットタイプのレトルトのパッケージがあります。
茶トラの場合ドライフードは好んで食べるのですが、一方のレトルトはにおいを嗅いだだけで全く食べませんでした。
腎臓サポートのドライフードを食べるようになって気づいたのは
猫のトイレの砂の下に敷いいるペットシートの取り替える回数が増えたこと。
(以前の一般的なフードに数日間戻すと明らかに尿の量が減少していました)
これはこのフードを食べることで尿の量が増えるようで
これによって尿路の結石などを予防することもなるようです。
ちなみにこのキャットフードですが、わが家の1歳の若年の猫の場合、
一過性の症状としてストラバイト結晶を排泄する場合もありしばらくその対策のために療法食を続けて改善したら、普通の総合栄養食に戻すことも可能なようです。
ただこの尿路疾患の症状が慢性的になるであろう、それ以降の年齢の猫及び高齢の猫は
生涯療法食を中心とした食生活をしてやらねばなりません。
その場合は療法食に一般食のおやつのフードを時折与えてあげるといいようです。
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